セレナード第9番二長調《ポストホルン》1
この曲は第六楽章におかれた第ニメヌエットの第ニトリオ部に、ポストホルンが使われていることから「ポストホルン」の名で知られている。
このポストホルンは当時郵便馬車の駅者が郵便を運んできたことを知らせる信号音として用いていたもので、非常に小型の、しかも無弁のホルンである。
現在でもウィーンなどの楽器屋で売っているが、いまでもこのポストホルンのマークがオーストリアの郵便局では使われている。
このポストホルンの音型を用いた音楽作品も少なくなく、たとえばシューベルトの歌曲集《冬の旅》の中の第十三曲「郵便馬車」でも、ピアノの前奏部の高声部に出てくる〔ドーミーソ〕だけの音型は、このポストホルンの音を表わしている。