セレナード第9番二長調《ポストホルン》2
ポストホルンの音はもちろん金菅音器に属する、しかもピストンのない無弁の楽器だから、〔ドーミーソ〕の音がもっともよく響くために、モーツァルトのこの曲でもその主和音内の音だけしか使われておらず、またそれがいかにもラッパの特色を感じさせる。
作曲は1779年8月3日で、ザルツブルク時代最後のセレナードである。
この年の1月、1年半にわたるマンハイムやパリ旅行から帰ってきたモーツァルトが、この旅行でマンハイムやパリから得たさまざまな新しい音楽的な要素がこの中に含まれていることでも、それまでのセレナードよりもずっと充実した作品といえる。
全七楽章から成り、第二、第六楽章にメヌエットを、また第三、第四楽章に第一フルートと第一オーボエが活躍するコンチェルタンテ風な楽章を置いている。
これは曲ハ型的なセレナードの形だが、楽器編成も大きく、かつヴァラエティに富んでおり、その用法がすぐれているから音色的にも変化があって楽しい作品になっている。