セレナード第10番変ロ長調《グラン・パルティータ》2
弦バスと十二管で演奏するチームはあまり利口な考えとはいえない。
なぜなら、おそらく初演のときに、コントラファゴットの奏者が見つからなかったために弦バスとしただけで、作曲者はもともと管楽器だけにしたかったことは明白だ。
のちにモーツァルトの親友で、切っても切れない縁の悪友のクラリネット奏者のアントン・シュタードラーがこの曲を公開の席で演奏したとき(もちろんモーツァルト立ち会いのもとに)これは正しく十三管の形で演奏されているのである。
戯曲(ならびに映画)『アマデウス』一世を風靡したが、その中で作者シェファーは、モーツァルトの才能にサリエリが打ちのめされる劇的なシーンの音楽に、この十三管のセレナードの第三楽章アダージョを使用した。
これはまことに効果的で、この楽章の神秘性は、所詮天才だけに発想できるものであるだけに、一発でサリエリが倒されるに十分なパンチとなっていたし、あのシーンでこの音楽が鳴ったときには、こちらの背筋も寒くなったものである。
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