セレナード第10番変ロ長調《グラン・パルティータ》3
近年の学者の研究では、この曲は従来説のようにミュンヘンで1780年に作られたものではなく、1782年8月4日、モーツァルトの結婚式のあと、ワルトシュテーテン男爵夫人の邸で行なわれた祝宴の際に
使うために作られたという説が有力になってきた。私にもそのほうがはるかに妥当だという気がする。
なぜなら、もし結婚できたら神に感謝のミサを捧げようと決意して、あの偉大なハ短調のミサを書き始めたり、結婚式が終わった瞬間に感動したモーツァルトが泣き出したというほどに、モーツァルトはこの結婚に賭けていたからである。
その思い入れがあって初めて、このような熱い心のほとばしる音楽が成立するだろうと思われるのである。
演奏にはかなりの名演がそろっているが、一応ベルリン・フィル管楽アンサンブルをトップに挙げておこう。
フルトヴェングラーやクレンペラーといった巨匠が自ら指揮したものもあるし、古楽器グループも数多く録音しているが。