古代美術の装飾
頭髪をたれ頬髭をもつ男はミケネ人でしかありません。
装飾帯の上下の枠は金と黒金との葉状文からなっています。
まことに城塞の主にふさわしい好みです。
象嵌の杯にはエレクトロン(金と銀の合金)製があります。
これは高杯であって、腹部の中央に金とニエロで水盤にいけたシダ状の植物が、ただ一つ紋章のように表わされています。
つぎに異例の杯をあげましょう。
それは獅子の頭部を写した祭祀用の杯です。
この杯はミケネ人の彫塑力をみるべきものでしょう。
クレタ人も獅子の頭部を石灰岩に写した杯を残しています。
その牝獅子の円滑な頭部にたいして、ミケネの牡獅子の頭部は簡潔な面に分析しています。
20センチから30センチ。
この大きさからは、わかりにくいですね。
いずれにせよ、そのなかには丸顔あり、四角い顔ありで、どれも同一ではありません。
個性的な特徴をしめしています。