農業の国際化とはなにか 3
農業はたんなる食料供給産業であり、効率性視点、コストの高低のみをもってして測られるべきものかどうでしょうか。
仮に効率的視点だけで律すれば、国内農業は不要であるということにもなりかねないのですが、はたして農業を抜きにした一国経済というものが成り立ちうるのかどうでしょうか。
国民経済の望ましいあり方を考えるためには、効率視点以外にも福祉視点、人間視点がさらに重要なのではないでしょうか。
・・・要するに、いま農業国際化を考えるということは、世界経済なり、日本経済なりについての実態をトータルに認識したうえで、一定の価値判断に立って国民自らが主体的に選択していくということです。
それはけっして宿命でもなければ、外部から押しつけられるべきものでもありません。
そこで、以下ではそうした主体的選択を行なうための素材として、三つの視点から農業国際化についての論点整理を試みることにしましょう。
つまり、1.食料の安全保障、2.国際分業論、3.農業の非経済的価値の三点がそれです。
これら三者は論理的に相互に密接に関連しているばかりでなく、現にガットの場でこれらをめぐってはげしい論戦がくり拡げられている、きわめてホットな問題です。