集団安全保障体制とは 4
現代の同盟体制の中でもっとも大規模なNATO(北大西洋条約機構)をとっても、その地理的適用範囲は
「ヨーロッパもしくは北アメリカにおけるいずれかの締約国の領域、・・・トルコの領域又は北回帰線以北の北大西洋地域におけるいずれかの締約国の管轄下にある島」(第6条)
・・・となっています。
日米安保条約の場合を例にとりますと、「日本国の施政の下にある領域」(第5条)、「極東における国際の平和及び安全の維持」(第6条)という表現で、やはりその適用範囲が明らかにされています。
・・・・湾岸戦争の結果、両条約の地理的適用範囲が明確に定められていることが、アメリカを中心とする軍事行動上の妨げとなり、したがってこの制約を取り払おうという動きが生まれてきたわけです。
いま一つは、措置をとる決定を行う主体が国連の安保理であるということです。
原始的な集団安全保障の仕組みの場合は、国連のような国際機構は当然のことながらないわけですから・・・
関係諸国の意志がよほど一致しなければ、実際上は集団安全保障の仕組みが動き出す可能性は乏しいことにならざるを得ません。