古代美術の装飾 2
今日は黄金マスク(前16世紀)について。
静かに眼をあけて、高貴な鼻筋、一文字に結んだ薄い唇、成して表わされています。
ちょっと一刀彫のようです。
もとより写実的ではありません。
それにもかかわらず迫力があります。
たてがみは形式化されて動物に品位を加えています。
この簡素な硬さをこえて獅子が生きているのは、この動物の本体をよく捉えているからです。
・・・といえばティリンスの壁画の女と共通する理念によるものです。
ともあれ、ここでは対象を面に分析し構成する表現と生命力とに注目したいですね。
このことはつぎの黄金マスクとも通じるのです。
黄金マスクは円形墓地Aから5個(第4墓から1個、第5墓から2個)が発見されました。
これらのマスクが屍に直接に付けられたかは断定しにくいです。
丸顔あり、長顔あり、また眼を開くもの、眼を閉じるものがしかしいずれも広い額は高貴です。
そして頬から顎にかけて美しいヒゲをつけたこの顔を、シュリーマンはミケネ城主アガメムノンと見ました。